隣の家は、
小さなネイルサロンだった。
予約制で、
昼前から夕方まで、
次々に客が来る。
最初に違和感を覚えたのは、
ある平日の昼だった。
仕事の休憩中、
忘れ物を取りに一度帰宅した時。
うちの駐車場に、
見知らぬ軽自動車が停まっていた。
「すみません、それうちなんですけど」
声をかけると、
女性は慌てた顔で頭を下げた。
「えっ、すみません!間違えました!」
その時は、
本当に間違えたんだと思った。
でも——
それが何度も続いた。
違う車。
違う人。
なのに全員、
同じことを言う。
「同じ家かと思ってました」
いや、
どう見ても違う。
玄関も別。
敷地も別。
駐車場の位置だって完全に分かれている。
それなのに、
なぜか当然みたいに停めていく。
だんだん、
違和感が確信に変わっていった。
そしてある日。
私はわざと、
昼に帰る時間をずらした。
“現場”を見たかったからだ。
家の前に差しかかった瞬間、
私は思わず笑ってしまった。
——やっぱり。
見知らぬSUVが、
うちの駐車場に堂々と停まっている。
しかもその直後、
隣のネイルサロンから女性が出てきた。
何の迷いもなく、
その車へ向かって歩いていく。
私は車を降り、
静かに声をかけた。
「その車、うちの駐車場ですよね?」
女性は一瞬固まった。
そして、
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