子どもが救急処置室に運ばれた瞬間、私は元夫に十九回目の電話をかけていた。
十九回目で、ようやくつながった。
でも、返ってきた言葉はたった一つだった。
「子どもをダシにして金をせびるな。」
その一言で、六年間のことが全部、胸の奥で音を立てて崩れた気がした。
離婚してから六年。
養育費は一度も払われなかった。
「今は余裕がない」
「そのうち払う」
「そんなに困ってるなら働けば?」
言い訳だけは、毎回きれいに並べられた。
私は悔しくても、飲み込んできた。
子どもの前で取り乱したくなかった。
惨めでも、情けなくても、私が踏ん張ればこの子は生きていける。
そう思って、病院代も、学用品も、食費も、全部ひとりで背負ってきた。
でも、その夜だけは違った。
子どもはぐったりして、顔色は真っ白で、医師の声まで遠く聞こえた。
「すぐに処置が必要です」
そう言われた瞬間、頭の中が真っ白になった。
私は震える手で元夫に電話をかけ続けた。
父親として助けてほしかった。
せめて、今だけでも。
この子の命がかかっている今だけでも。
なのに、返ってきたのは、あの言葉だった。
「子どもをダシにして金をせびるな。」
私はその場で泣くこともできなかった。
泣いている時間なんてなかったから。
ところが、その三十分後。
私の口座に 50万円 の振込が入った。
あまりに露骨だった。
心配したからじゃない。
愛情でもない。
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