車に戻った瞬間、フロントガラスに貼られた紙を見て、思わず固まった。
「無断駐車禁止。該当車両にはタイヤロックを装着しています。店内までお声がけください」
え、ちょっと待って。
私、そんなに悪いことした?
というか、いつ誰の邪魔をしたの?
一気に頭が真っ白になった。
その日、私はほんの短時間だけ車を停めていた。
自分では「少しだけだし、大丈夫だろう」と思っていたし、正直、誰かの車の出入りを塞いだつもりもなかった。
でも、目の前の現実はそんな言い訳を受けつけない。
フロントガラスの告示と、タイヤにしっかり装着されたロック。
それを見た瞬間、心臓がドクンとした。
最初に湧いたのは、焦りよりも先に、ちょっとした不満だった。
「いや、そこまでしなくてもよくない?」
たしかに無断で停めたのはよくなかったかもしれない。
でも、ほんの短時間だったし、ここまで厳しくされるとは思っていなかった。
それに、タイヤロックなんて実際に自分の車についているのを見ると、想像以上に圧がある。
紙に「禁止」と書かれるのとは全然違う。
急に“やってしまった側”に立たされた感じがして、周りの視線まで気になってきた。
通りすがりの人は別に私を見ていたわけじゃないと思う。
でも、そういう時って、なぜかみんなに見られている気がする。
「あの人、何したんだろう」
「無断駐車でもしたのかな」
そんなふうに思われている気がして、妙に落ち着かなかった。
とりあえず私は、告示とタイヤロックの写真を撮った。
あとで何か説明が必要になった時のためでもあったし、正直、自分でも少し状況を整理したかった。
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