「ここ、子どもの遊び場ですよね?」
レゴの试玩台の前で、子どもたちが立ったまま待っているのに、唯一の席にはスマホを触る大人がどっかり座っていました。
週末の大日イオン。
買い物の途中で、子どもが「あ、レゴある!」と目を輝かせたので、少しだけ遊ばせてあげようと思って売り場へ向かいました。
そこには、すでに何人もの子どもたちがいました。
小さな手でブロックを選ぶ子、完成した車を走らせる子、棚に並んだ箱を見て目を輝かせる子。
ただ、ひとつだけ明らかにおかしな光景がありました。
子ども用の小さな椅子に、大人の女性が一人で座っていたのです。
しかも、その人の子どもが遊んでいるわけでもない。
ブロックを見ているわけでもない。
ただスマホを片手に、画面をずっとスクロールしているだけ。
そのすぐそばで、うちの子を含めて何人かの子どもが立ったまま待っていました。
「ママ、座るところないね」
子どもの小さな声が聞こえた瞬間、胸の中が少し熱くなりました。
もちろん、疲れて座りたい気持ちは分かります。
大人だって休みたい時はあります。
でも、ここは休憩スペースではありません。
子どもが遊ぶために用意された場所です。
最初は私も迷いました。
注意したら空気が悪くなるかな。
相手が逆ギレしたら面倒かな。
店員さんに言うほどのことかな。
でも、その間にも子どもたちはずっと立ったまま。
目の前にあるレゴを触りたいのに、遠慮して近づけない。
その女性は、子どもたちの視線にも気づいているはずなのに、まるで何も見えていないようにスマホを触り続けていました。
私は一度、深呼吸しました。
そして、できるだけ穏やかな声で言いました。
「すみません。小さい子たちが遊びたがっているので、席を譲ってもらえませんか?」
女性は顔を上げませんでした。
聞こえていないのかと思い、もう一度言いました。
「ここ、子ども用のスペースなので……子どもが座れなくて困っているんです」
それでも反応なし。
スマホの画面だけを見て、指だけが動いている。
その瞬間、私は理解しました。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください