正直に言う。
これは「カップ麺を作る」話じゃない。
——これは、戦いだ。
今日は、決めた。
説明書どおりに、1ミリの誤差もなく作る。
水は250cc。
多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ。
キッチンスケールを出して、ぴったり合わせる。
ここから、もう逃げ場はない。
⏱️ お湯を注ぐ。
同時に、タイマーを「2分30秒」にセット。
——長すぎれば、麺は死ぬ。
——短すぎれば、芯が残る。
たった数十秒のズレで、すべてが台無しになる。
心臓が少し早くなる。
ただのカップ麺なのに、なぜこんなに緊張しているんだ。
「大丈夫、できる。」
心の中で、自分に言い聞かせる。
フタを少しだけ開けて、様子を見る。
麺の色。
スープの濃度。
水分の減り方。
全部、チェック。
これは料理じゃない。精密作業だ。
時間は、まだ30秒。
なのに、永遠みたいに長い。
途中でかき混ぜたい衝動がくる。
でも、我慢する。
説明書には、書いてない。
——余計なことは、しない。
ただ、信じる。
このルールを。
残り10秒。
呼吸が浅くなる。
視線はタイマーに固定。
3、2、1——
止める。
フタを開ける、その瞬間。
ほんの一瞬、世界が止まった気がした。
そして——
麺は、完璧だった。
ツヤがある。
一本一本が、ちゃんと立っている。
スープは、濃すぎず、薄すぎず、ちょうどいい。
箸で持ち上げる。
しなやかに揺れる。
口に入れる。
——うまい。
いや、違う。
これは「うまい」を超えている。
コシ。
温度。
味のバランス。
すべてが、完璧に噛み合っている。
思わず笑った。
「勝った。」
たかがカップ麺。
でも、この一杯は違う。
雑に作れば、ただの食事。
でも、極めれば——
それは、作品になる。
完璧にやり切った、その達成感。
一口ごとに、じわじわ広がる満足感。
正直に言う。
こんなに気持ちいいとは思わなかった。
——完璧すぎて、自分に引いた。
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