正直、最初から違和感はあった。
引っ越しで持っていけない物を、フリマに出してた。
その中の一つが、水槽。
もう使ってないし、処分するくらいならって思って、
500円で出した。
すると、すぐに連絡が来た。
相手は年配の男性。
「これ、タダになりませんか?」
最初は軽く断った。
「すみません、500円でお願いします」
それだけ。
でも、そこからがしつこかった。
「どうせ捨てるんでしょ?」
「タダでいいじゃない」
いや、意味分からない。
安くしてる理由、そこじゃない。
普通に価値あるし、
それでも安くしてるだけ。
でもその人、全然引かない。
何回も同じこと言ってくる。
正直、その時点でちょっと無理だった。
結局、取引はしなかった。
そのままスルー。
で、引っ越し当日。
時間もなくて、
結局その水槽は処分することにした。
持って外に出た。
その時だった。
後ろに、あの人がいた。
普通に立ってた。
一瞬、意味分からなかった。
「え?」
ってなった。
すると、当たり前みたいに言ってきた。
「それ、やっぱりくれない?」
……は?
しかもそのまま、
私が歩くと普通についてくる。
完全に距離詰めてくる。
正直、怖かった。
でも同時に、めちゃくちゃイラッとした。
ここまで来る?って思った。
断ってるよね?
何回も。
その瞬間、もういいやってなった。
私はその場で立ち止まって、
そのまま——
水槽を地面に叩きつけた。
バキンって音がした。
ガラスが一気に割れた。
その場が一瞬静かになった。
おじいさん、固まってた。
私はそのまま言った。
「もう無いんで」
それだけ。
そのまま振り返らずに離れた。
正直、あそこまで来ると、
“安く欲しい”じゃなくて、ただの押しつけ。
しかも最後は、完全に越えてた。
だから思った。
タダより怖いものって、普通にある。
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