「駅まででいいから。」
そう言ったのは、
登山帰りの駐車場だった。
フランス人の男と、
アルゼンチン人の女。
電車が少なくて困ってるらしい。
妻が小声で言った。
「30分くらいなら…いいんじゃない?」
私も疲れてはいたが、
方向も同じだったので頷いた。
「OK. Station only, alright?」
(いいですよ。でも駅までだけですからね?)
すると2人は笑顔になった。
“Thank you! Japanese people are so kind!”
(ありがとう!日本人って本当に親切!)
この時はまだ、
いい出会いだと思っていた。
車が走り出してしばらく。
最初は普通の会話だった。
“Your mountain is beautiful!”
(日本の山って綺麗!)
“Do you climb often?”
(よく登山するの?)
私も拙い英語で返した。
「A few times a year.」
(年に数回くらいですね。)
ところが10分後。
後ろで2人がスマホを見ながら、
急にコソコソし始めた。
そして男が当然みたいに言った。
“Next, take us here.”
(次、ここ連れてって。)
スマホ画面には、
インスタで有名な神社。
私は一瞬、
聞き間違いかと思った。
「Ah… no.
Different direction.」
(いや…そっち方向違うので。)
すると男、
少しイラッとした顔で言う。
“But it’s close.”
(近いじゃん。)
“Japanese people are friendly, right?”
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